日本研究学科について
日本研究学科は1967年に、旧「日文組(日本語セクション)」として、副専攻課程と選択科目を開講しました。社会的ニーズの高まりに応え、1991年に「日本研究学科」となり、日本の社会と文化そして日本語を学際的に研究する主専攻課程を設置。時と共に、本学科は日本語及び日本研究専攻の学士課程および大学院課程を提供する包括的なプログラムに発展してきました。現在、本学科では、人類学、文化史、映画研究、国際関係学、言語学、ポップカルチャー研究、社会学を含む多様な学術分野を通して日本研究が行なわれています。
本学科は、日本・香港・中国の歴史的関係そして現代における関係を探求する研究を牽引してきました。教授陣は英語、日本語、中国語で国際的学術誌に論文を発表し、国際学会にて積極的に研究発表を行なっています。研究活動においては、日本に関する専門知識に基づいて、日本・香港・中国に関わる重要課題に対して新たな洞察を打ち出し続けています。
わたしたちの使命は、学生が日本社会・文化への批判的視野と高度な日本語能力とを同時に習得できる厳格な教育を行なうことです。数多くの日本トップレベルの大学とネットワークを構築している本学科では、主専攻の学生は全員交換留学生として、1年間それらの大学で学びます。本学科卒業生の卓越した語学力は他大学の同様の学科と比べても抜きん出ており、卒業時にはほぼ全員の就職が決まっています。就職先は、金融、貿易、製造業、教育、観光、政府機関など多岐にわたります。また、香港や海外の大学院に進学する学生も多数おり、文学修士(MA)、経営学修士(MBA)、法務博士(JD)、博士(PhD)などの学位を取得しています。わたしたちは、日本・香港・中国の関係構築に貢献し、ひいては香港、地域、そして世界に役立つ人材の育成に尽力します。
日本研究とは。
日本研究とは 歴史的、文化的そして言語学的視点に人文学と社会科学を含めて、学術的に日本を研究することです。日本研究は、日本人研究者による日本社会の研究、江戸時代に日本と接触したことから開始されたヨーロッパでの研究、第二次世界大戦終結後にアメリカで始まった地域研究など異なる複数の研究が統合されてできたものです。地域研究は、従来の学術研究では特定の地理的または文化的領域を充分に議論することができず、それがこの世界についての知識の欠落につながるという認識からうまれました。学生は日本研究で、多様な学術研究と語学習得を基礎として、包括的に日本関連の知識を獲得します。また、日本研究は、日本という枠組みを越えて、文化、人々そして思想が国境の内外を移動する様を検討する比較研究やトランスナショナルな研究アプローチを含んでいます。日本、香港、中国の間には強い経済的、文化的、歴史的相互関係があります。香港と中国にとって、日本研究は重要です。本学科専攻の学生は、学際的なアプローチをもって地域文化を分析する方法を習得し、さらに、この批判的かつ柔軟なアプローチを自身の属する社会を含む様々な社会の研究に適応していく方法も学びます。